約束の物語

年端もいかない少年たちが、ある日船だの山車だの飛行機だの車だのに乗せられて、
はい、行ってらっしゃいと背中を押される。
仲がいいとか悪いとか、好きとか嫌いとか、関係なく乗り合いになって。
「約束させられた」ところからはじまる物語。



彼らが矢面に立つ。
それが進むために、多くの大人と多くのお金の力が働く。まさに、誰かの生活を背負った航海。
お金とビジネス、夢と希望と愛と嫉妬と羨望と、リアルとファンタジー、全部背負って、正面にたつ。
そして、進んで行かなくてはならない。


わたしたちは、それを見ている。
約束させられた物語が、彼らの物語になっていくその過程を、喜びと愛しさと、もどかしさと、ときには怒りや悲しみもありつつ、
それでもその物語に寄り添っていたいと岸から見ている。


どんなに愛しても、その船に乗り込むことだけは出来ない。
だから余計に輝いて、愛しく見えて。




ジャニーズエンゲージメント、という言葉を確か別冊宝島か何かで見たのを記憶している。
出会って、仲良くなって、信頼し合って、さあじゃあ一緒に行こうかと約束するのではない。
突然約束させられる。
でも、だからこそその過程は輝いていくのかって思っていた。
それが、グループってことの意味かなって。
過程だから、いいこともイヤなこともある。まさに、病める時も、健やかなる時も。

人から与えられた、決められてしまった約束を、自分達のものにしていくその過程を愛することこそ醍醐味かなって。




何だか最近はそれが引きちぎられるように感じることが多い気がする。
出会いと別れはそりゃあある。
でも、そんなふうに、引きちぎられるような経験は、出来ればしたくない。
好きというのは心のやわらかい、しかし強い部分なだけに引きちぎられるのは相当の痛みだよ。
凝固してりゃパキッと折れるものも、そうはいかないんだよ・・・。



わたしはただのキンキファンなだけなのに、なんだか本当に悲しくなって、泣きたくなった。